スターバースト銀河 (M82) NGC3034
スターバースト銀河とM81銀河の画像

スターバースト銀河(左)とM81銀河(右)
種類 不規則銀河
星座 おおぐま座
赤経 9h55.8m
赤緯 +69°41'
視直径 9'x4'
視等級 +8.4
距離 1,200万光年

・ 辺りの星図 ・
撮影 今村
 撮影場所 浜松市中区 西遠女子学園
 2007年2月11日20:42
 TOA130(f720mmF5.5)
 BJ-41L冷却CCDカメラ 冷却温度 −15℃
 露出:L=5分×10 R=5分×4 G=5分×4
     B=5分×4枚 合計露出110分


 おおぐま座の頭部にある不規則銀河、わずかに0.6゚ほどの間隔でM81(渦巻銀河)と並んでいる。天の北極に近いので、ほぼ1年中見られる。秒速1000kmもの速度で、銀河の中心から星群が噴出しており、銀河の円盤面から約1万光年以上に達する星のつながりが観測されている。M82が不規則な形をしているのは、隣の銀河M81との相互作用の結果、爆発的な星形成が進行しているからだと考えられている。その結果、光学望遠鏡では見えないものの毎年1個程度の超新星爆発が濃い暗黒星雲の奥深くで発生しているはずで、電波観測ではたくさんの超新星残骸が観測されている。2004年3月5日に初めて17等級の超新星2004amが発見された。この超新星による加熱で中心部からガスが吹き出し、写真で見ると奇妙な形をしているが、これは塵(ちり)で銀河の光が遮られるなどしているためで、近赤外線写真ではふつうの円盤銀河と同じように見える。NASAのチャンドラX線宇宙望遠鏡の観測により、M82には太陽の500倍ほどの中質量ブラックホールの存在が発見されている。また、短期間に大量の星が爆発したことを示す巨大な「あわ構造」があることも発見されている。
(最新デジタル宇宙大百科より)


 M82は質量が太陽の500億倍(銀河系の約1/4)、直径16000光年ほどの小さな銀河だ。不規則銀河に分類されているが、棒渦巻銀河を真横から見ているものと考えている天文学者もいる。今から6億年前、M82はM81、NGC3077と接近し、激しく相互作用した。その結果、M82では「スターバースト現象」が起きた。スターバーストとは太陽の10倍以上もあるような重い星が一気にたくさん形成される現象だ。生まれたばかりの若い高温の星は強い恒星風を吹き出す。そして大質量星は、わずか数百万年から数千万年のうちに一生を終え超新星爆発を起こす。活発な星形成と大量の超新星爆発は銀河内部のガスを宇宙空間へ吹き飛ばすことになる。これは「スーパーウィンド」と呼ばれている。このスーパーウィンドによって、M82では太陽の約500万個分の物質が秒速1000kmの速度で吹き飛ばされている。
(星ナビ2006年4月号ビジュアル天体図鑑No.16スターバースト銀河M82 文/脇屋奈々代より)


 「スターバースト」は大質量星(太陽より10倍以上重い星)が一気にたくさんできる現象で、だいたい1000万年の期間に、大質量星が1万個から10万個ぐらい作られる。銀河中心核から数百光年以内の領域で発生する現象である。近くの円盤銀河の数パーセントは「スターバースト銀河」であるが,代表例は「M82(NGC3034)」である。おおぐま座の方向にあるこの銀河は,地球からの距離も1200万光年と近い。地球からの見かけの明るさも約9等級なので,双眼鏡や小さな望遠鏡でも見ることができる。銀河にとって,スターバーストの影響は想像以上に深刻である。銀河の中を嵐が吹きぬけるからである。生まれた大質量星は質量にもよるが,数百万年から数億年で超新星爆発を起こして死ぬ。つまり,スターバーストの後には,超新星爆発のバーストが待っているのである。銀河中心の数百光年の領域で,どんどん超新星爆発が起きている。爆風波はまわりのガスと衝突して衝撃波を引き起こしながら,ガスを加熱する。こうして,100万度を超える熱いプラズマのバブルができる。これがあちらこちらにできるので,しまいにはバブルが重なり合って,さらに巨大なバブルに成長する。「スーパーバブル」のでき上がりである。スーパーバブルは銀河中心領域にあったガスを圧力で押しのけ,ガス密度の低い方向へ噴出していく。やがてスーパーバブルははじけ,熱いプラズマは銀河の外へと流れ出す。これが「スーパ一ウインド」である。バブルのエネルギーが銀河の重力を振り切るほど強大であれば、プラズマは銀河に帰らない。宇宙空間(銀河間空間)をただようガスになるのである。
(宇宙旅行ガイド140億光年の旅 福江純 責任編集 パリティ編集委員会編 丸善2005年12月発行第12章 谷口義明 東北大学大学院理学研究科 著より)