網状星雲 NGC6960, NGC6992-5
網状星雲の画像
種類 超新星の残骸
星座 はくちょう座座
赤経 20h56m
赤緯 +31°43'
視直径 150'
視等級 +8.0
距離 1,600光年

・ 辺りの星図 ・
撮影 今村
 撮影場所 浜松市中区 西遠女子学園
 2006年8月6日21:13露出開始
 TOA130(f720mmF5.5)
 BJ-41L冷却CCDカメラ 冷却温度 3℃
 露出:L=3分×10 R=3分×5 G=3分×4
     B=3分×4枚 合計露出69分

 はくちょう座にある超新星残骸。広い範囲に分布している星雲(NGC 6960、6992-5)をまとめて、この名前がついている。約2万年前に爆発した超新星の残骸と考えられる。たいへん淡いので小さな望遠鏡では確認しづらいが、写真ではレースのような美しい姿を見ることができる。

『シェル型超新星残骸』

 超新星爆発の衝撃波には物質を圧縮する作用があり衝撃波の後方ではおおよそ物質が4倍の密度になります。逆に物質を衝撃波によって持ち去られた形になる中心部分では密度が低くなるため、衝撃波が点を中心とする球面上に広がっていく超新星残骸では物質が球面の殻(シェル)状の分布をするようになります。このため、この様なタイプの超新星残骸をシェル型超新星残骸と呼びます。このシェル型超新星残骸の進化の様子は4段階に分けられており、それぞれを「自由膨張期」「断熱膨張期」「放射冷却期」「消滅期」と呼びます。「自由膨張期」においては、爆発、四散する星の残骸は衝撃波によって掃き集められた星間物質よりもはるかに多いので、ほとんど何にも妨げられることなく白由に飛び散っています。そのため、衝撃波による加熱も十分に進んでおらず、まだX線で明るく輝くことはありません。100年ほど経つと、爆散した星の残骸の質量と、衝撃波によって掃き集められた物質の量が同じ程度の量になってきます。こうなると、超新星爆発のエネルギーは衡撃波によって熱へと変換され、X線で明るく輝き始めます。この時期は、まだ放射によるエネルギーの放出が、超新星残骸の持つエネルギーに較べて十分小さく、エネルギーを保存したまま膨張していると見なせるので「断熱膨張期」と呼ばれます。この時期は約数万年ほど続きます。衝撃波は膨張を続け、多くの物質を取り込み大きくなってくると、衝撃波のスピードは次第に遅くなり、高温ガスの温度も次第に低くなってきます。超新星爆発が起こってから数万年も経ち、高温ガスの温度が100万度程まで下がってくると、X線の放射によって失うエネルギーが、超新星残骸の持つエネルギーに対して無視できなくなり、「放射冷却期」に入ります。この温度域の高温ガスは非常に多くのエネルギーをX線で放射する上に、温度が下がるほど放射の量が増えるという性質を持っているため、急速に熱をX線の放射に変えて冷えていきます(これを熱的不安定とよびます)。熱を失ったガスは圧力が維持できなくなり、局所的にしぼんで密度の高い部分が出来始めますが、X線の放射の量は密度の2乗に比例するのでさらに効率的に熱を放射で失っていきます。